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Dr.篠田のブログ/ ・救歯会

歯根破折が原因の抜歯の割合:スタディグループ救歯会調査

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 私の参加しているスタディグループ救歯会では、会員の診療所で2013年1月から6月の半年間に行われた抜歯の原因を調査しました。抜歯の原因には虫歯、歯周病、歯根破折などがありますが、虫歯、歯周病は適切な歯みがきと定期健診を受診することにより予防できます。ところが、歯根破折を予防することはとても困難です。そこで「良好なメインテナンスが行われている患者さんでは、相対的に歯根破折が原因の抜歯の割合が増加するのではないか?」という仮説を検証しました。

 今回、その調査結果が論文として発表されました。調査期間の半年間に24の診療所で736本が抜歯されました。そのうち、歯根破折が原因だったのは31.7%でした。これは過去の調査結果、4.4%(Chrysanthakopoulos et al. 2011)10.6%(Aida et al. 2006)と比較して高い割合となりました。
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 また歯根破折が原因で抜歯されたもののうち、ほとんど(93.6%)が歯の神経を取ってあり(根管治療済)、さらにその中の82.1%に金属の芯棒(メタルコア、スクリューポスト)が装着されていました。
 歯根破折が起こった歯のほとんどは「神経を取って金属の芯棒を装着していた」ことから、虫歯の予防と神経まで虫歯が進行する前に定期健診で虫歯を見つけることが、歯根破折の予防に必要であると言えます。
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 また、虫歯が重度に進行して芯棒が必要な場合には、金属よりも柔軟で接着材と相性のいいグラスファイバーを用いることにより、歯根破折を減らせるのではないかと考えています。

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口腔内スキャニングによるCAD/CAM冠の製作:スタディグループ救歯会サマーセミナー

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 2015年 8/28(金), 29(土), 30(日)は休診させていただき、所属するスタディグループ救歯会のサマーセミナーに参加しました。この研修会では参加者全員の症例発表の他に様々な企画があります。そのひとつとして「歯科臨床におけるデジタルvsアナログ」というテーマで何人かの発表がありました。

 千代田区でご開業の野本秀材先生は「口腔内スキャニングによるCAD/CAM冠の製作」についてお話しされました。通常の歯科修復物は、
【歯型をとる→石膏模型を作る→模型上で修復物の原型を作る→金属(鋳造)やセラミック(焼成)の材料に置き換える】
という工程で作られます。今回の野本先生の発表では、
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【口腔内スキャニング→コンピュータ上で修復物を設計(CAD)→コンピュータ制御で削り出し(CAM)】
と、従来の「型とり」と「模型製作」を行わない方法での修復物の製作を紹介されました。
 現在高精度の口腔内スキャナーは非常に高価ですが、今後の低価格化、さらなる精度の向上により一般に普及していくと思われます。

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3Dプリンター(CAD/CAM)の歯科における応用:材料の収縮をデジタルに補正

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噛み合わせ(顎位)の決定法:スタディグループ救歯会サマーセミナー

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 2015年 8/28(金), 29(土), 30(日)は休診させていただき、所属するスタディグループ救歯会のサマーセミナーに参加しました。今年の統一テーマは「咬頭嵌合位(噛み合わせ)の回復・保持に努めた症例」でした。これは「適正な噛み合わせ(咬頭嵌合位)が失われた症例で、新しい噛み合わせの位置をいかに決めてそれを保持するか」という意味です。参加者全員がこのテーマに沿った症例発表をしました。

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 また今回の統一テーマに沿って「ゴシックアーチとホーレーバイトプレーンの比較」という企画を行いました。ゴシックアーチホーレーバイトプレーンもどちらも上顎に取り付けたマウスピースの平面上で、下顎を自由に滑走できるようにした装置で、噛み合わせ(顎位)の診査を行うことができます。顎位の決定においてこの2種類の装置をどのように使い分けるかについて4症例が提示され、ディスカッションしました。

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臼歯部咬合再建に苦労した1症例:スタディグループ救歯会例会

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 毎月第一水曜日(時々変更があります)はスタディーグループ救歯会の例会に参加しております。月1回、分野を限らず包括的な歯科医療の症例検討会をしています。当日の診療は4:30までとなりますので、患者様にはご迷惑をおかけいたします。

2014 / 10 / 1 は以下のテーマで4人の演者が発表しました。

1) 経年的に臼歯部咬合崩壊を起こした症例の術後経過 

2) コーヌスクローネを行ったEichnerB3症例 

3) 臼歯部咬合再建に苦労した1症例

4) 短縮歯列咬合に取り組んだ一症例

 3番目の「臼歯部咬合再建に苦労した1症例」は、岐阜県から毎月参加されている苅谷憲明先生の発表でした。症例は重度歯周病で奥歯を失いつつある患者さんの咬み合わせを再建したものでした。

 右上、左上の大臼歯は根と根の分かれ目まで歯周病が進行(分岐部病変)していたため根を一部切除したり分割することにより清掃しやすくされていました。また、右下の大臼歯は分岐部病変があり前方に倒れていたため、3本のうち1本の歯根を切除してから矯正により歯を起されていました。

 左下は大臼歯を2本失っていましたが、顎骨の中に大きな神経(下歯槽神経)に近接して親知らずが埋まっていました。苅谷先生は下歯槽神経を傷つけないように、親知らずが神経から離れるまで矯正により移動させた後、抜歯して手前に移植されました。

 奥歯を失い咬み合わせが崩れると前歯に大きな負担がかかり、歯が割れたり、病的な歯の移動、歯周病を加速させる要因(咬合性外傷)のリスクが大きくなります。今回の治療は奥歯を残し、咬み合わせを再建するために最大限の努力をされた、素晴らしい症例でした。


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インプラントと咬み合う歯(対合歯)は、寿命が短い?:スタディグループ救歯会調査

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2014072001.jpg 歯科インプラントは咬み合わせを支える力が強いため、これと咬み合う歯(対合歯)に強い力がかかり、対合歯の破折や歯周病の進行を加速する要因(咬合性外傷)を引き起こすのではないか? という疑問が持たれてきました。


 「インプラントは対合歯の喪失のリスクファクターになるか?」を検証するため、私が所属するスタディーグループ救歯会の吉野浩一先生が会員からデータを集めて分析した結果アメリカインプラント学会の学会誌(JOMI)に発表されました。

 383人の患者さんの平均72ヶ月間の経過を調べた結果、上の写真のようなインプラントの対合歯とその対照歯を比較して、観察期間内の歯の喪失数に差はありませんでした。「インプラントは対合歯の喪失のリスクファクターではない」という結論が出ました。
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 天然歯はその歯根と歯を支える骨(歯槽骨)の間にクッション(歯根膜)と圧力を感じるセンサーを持ちます。これに対してインプラント表面は骨と直接結合していて、クッション(歯根膜)も圧力を感じるセンサーも無いため、対合歯に悪影響を及ぼすのではないかと考えられてきました。ところが今回の研究から、そうでは無いことが分かりました。これは、対合歯の持つクッション(歯根膜)と圧力を感じるセンサーが機能しているせいかもしれません。

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