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Dr.篠田のブログ

治療介入により歯の喪失を食い止めることができるのか?:ISCT研修会

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。

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(吉野浩一、パーセンタイル曲線でみるあなたの歯の数 より改図)

 2013 / 10 / 11 は西堀歯科の西堀先生の発表でした。テーマは治療介入により歯の喪失を食い止めることができるのか?」でした。

歯のパーセンタイル曲線

 救歯会会員の吉野浩一先生の論文「歯の数は歯の喪失のリスクファクターの一つである」が議論の土台として提示されました。また69歳で残存歯数17本の症例を例に挙げ、歯科治療をすることによりこの患者さんの歯の喪失を食い止めることができるのかが話し合われました。「69歳で残存歯数17本」の患者さんは上図「歯のパーセンタイル曲線」で赤矢印の位置に相当し50パーセンタイル(同年齢の100人中50番目)曲線上に位置します。この50パーセンタイル曲線をたどると、この患者さんが75歳になった時には残存歯は8本で、6年間に9本の歯を喪失するということになります。ところが同い年でも3パーセンタイル曲線は傾きが緩やかで、歯の喪失数も少ないと考えられます。

治療介入による歯の喪失リスクの低下

 すでに多くの歯を失っている患者さんは、過去に虫歯や歯周病のリスクが高かったために多くの歯を失ったと考えられます。歯科治療を受けなければパーセンタイル曲線をたどるように歯を喪失することが予想されますが、歯科医が虫歯や歯周病の治療を行い口腔衛生状態を改善することにより、虫歯や歯周病による歯の喪失のリスクを低くすることは可能であると考えられます。

歯の減少による過大な咬合力

 ところが歯が少なくなるとかみ合わせを支える歯の数(咬合支持歯数)も少なくなり、咬み合わせを支える歯の1本ごとにかかる力は大きくなります。このかみ合わせの力(咬合力)の増加による歯の破折のリスクをコントロールすることは難しいようです。また、歯周病の炎症のコントロールができていない歯に過大な力がかかること(咬合性外傷)により、歯周病が加速度的に進行するかもしれません。ただし、歯周病の炎症は歯科医院での歯石除去と患者さんによる歯みがきで、多くの場合コントロール可能です。

結論

結論として以下の様なことがと考えられます。

①歯が少ない患者さんでも治療介入により、虫歯・歯周病による歯の喪失は食い止めることが可能

②歯が少なくなり過大な咬合力がかかることによって起こる、歯牙破折を食い止めるのは難しい

 救歯会の長期症例の発表でも、治療後のメインテナンス中における虫歯や歯周病による抜歯は非常に少なく、歯根破折による抜歯が相対的に多く見られます。救歯会では上記の結論を検証するために、会員からデータを集めて歯科医院で定期的なメインテナンスを受けている患者さんとそうでない患者さんの歯の喪失数とその原因の調査を行っています。近く、調査結果が論文として発表されますので、このブログでもご紹介します。

 

【関連記事】

あなたの将来の歯は何本? 歯のパーセンタイル曲線

ISCT研修会カテゴリの記事

カテゴリー:【学会・スタディーグループ】, ・ISCT研修会  日時:2013年10月15日

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